10月2日、第62回芸術祭日立市民俳句大会が、多賀市民会館に於いて開催されました。
薄曇りの暑い日でしたが当日参加37名、事前投句、応募作品204句当日席題は(中)でした。
記念講演 演題「なるほど・ザ・遍路」
講師 中野 育雄市俳句連盟副理事長
日立市長賞 |
かなしみはうすれゆくもの盆の月 |
高橋 喜久江 |
日立市俳句連盟会長賞 |
ひと言が座をなごやかに敬老日 |
今橋 和子 |
日立市俳句連盟会長賞 |
喜寿米寿卒寿もそろい盂蘭盆会 |
吉田 節郎 |
小野先生の講話
今月は「俳句に近道はあるか→ない」ではどうすればよいか。
俳句の基本を身につけること。基本は写生、洋画の写生を取り入れ、五感を遣って表現する。正岡子規は「俳句は写生だ」「俳句は写生に始まり写生に終わる」と言っている。
・素直に身近に有るものを五感を通して写し取る。
土門 拳(カメラマン)本質を捉えて撮っているカメラマン。
例 茄子の写真、模写をする、本質は何か、手で触る、色は、艶は、そして
自分で実感したもの、感激や驚きを自分の肌で感ずる。そこから茄子の本質を掴む。
自分が同化するように、時間をかけてよく見る。
読者が共鳴、共感するように感動を表現する。
- 例句
- 春寒やぶつかり歩く盲しい犬 村上 鬼城
自分が耳疾で苦労している。犬を通して自分を語らせる。俳句は物に託せである。だから共感する。
- 例句
- 春風や闘志抱きて丘に立つ 高濱 虚子
春風は明るく広がりがある。木枯らしでは悲壮感、炎天では闘志がオーバー。
細かいことに捉われず肯定的に詠む。 淋しい、悲しいを持ってくると広がりがなくなる。生の言葉はよくない。読者が感じて胸に響くような鑑賞ができるように詠む。対象物になりきることが大切です。
淋しい、悲しいを持ってくると広がりがなくなる。生の言葉はよくない。読者が感じて胸に響くような鑑賞ができるように詠む。対象物になりきることが大切です。