第139回 C-NET ひたち 俳句会を開催

 11月11日、いつものメンバーで水戸市立の七ツ洞公園吟行予定でしたが、大雨となり、集合場所の駐車場はプール状態、さてメンバーが来るかどうか?揃いました風邪の方を残して全員集合でした。吟行地を屋根のある水戸歴史館に変更、特別展「三昧古墳とその時代」を見学し、その後雨が上がりの金色に輝く見事な銀杏並木の下を歩いてきました。帰りの車中からは素晴らしい贈物冬の虹が見えました。写真が無いのが残念です。

11月の句会

  • 日 時 :11月16日(水)13:00~16:00 句会
  • 場 所 : NPO法人コミュニティNETひたち多賀事務所

小野先生の講話

  今月は「俳句は季語、定型、音律からなる」でした。
季語は俳句の中心をなすものである。

例句
春の海ひねもすのたりのたりかな  与謝 蕪村
春以外のものは考えられない、のたりのたりはそのものである。
例句
みちのくの淋代の浜わかめ干す  山口 青邨
風土性が生きている。淋代の浜(青森の三沢市、)
実はこの句「虚」というか「嘘」なのは有名な話。
何が嘘かというとここは、はてしなく広い砂浜で、岩場などで生える「若布」は取れないのである。この句は「若布」の題詠で生まれた句で、想像で作った句なのだそうです。「淋代」という地名の響きがいいのである。
例句
あはれ子の夜寒の床の引けば寄る  中村 汀女
夜寒は句の中心であり一句を支えている。季語が中心に座っている。
晩秋の夜、寒さを感じ、子供の眠っている布団を見ると、 いかにも寒そうで、思わずその布団をわが方に引くと、すっと寄ってくる。

下記の例句はどうでしょうか。季語として効果のあるもの、問題のあるもの
季語が俳句の中心に座っているか、また作者の心情が伝わってくるか等鑑賞してください。

 例句1.ゆくところ座るところ梅匂ふかな
 例句2.節分や古くは江戸の番外地
 例句3.  紅梅白梅うれしき時も涙出て
 例句4.  しだれ梅しだれそこねて一枝あり
   例句5.  辛夷散る如くに人の逝きにけり
 例句6.  粗大塵と言われて外で冬煙草

第139回C-Netひたち俳句会結果

小野さとし先生選

特選 向かひ合ひ黙々として障子貼 興 洋
故郷の洋梨届き兄元気
秋麗傘寿の画家の講演会 芳 洲
知らぬ児のにこつと笑ふ大花野 キミ子
土産屋の関西弁や恋の傷 仁 志
狭庭の木紅葉おしゃべり始まれり 源 一
住む郷の山紫水明十三夜 光 夫
主の居ぬ庭の犬小屋散る紅葉 典 男
風邪の子がもういくつ寝るとママが来る

文責 櫻井 キミ子

【 俳句会リーダー   櫻井 キミ子 】
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