第14回 C-Netひたち俳句会
初々しかった若葉も一雨ごとにたくましさを増し、強い日差しに備える頃となりました。今回の句会は、蒸し暑く冷たいものが欲しくなる、梅雨の空でした。今回、初特選を頂いた余韻余情のある深い思いの句に拍手が送られ、ご本人も感動の涙でした。
・日時:6月21日(水)14:00~17:00
・場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
小野先生のお話
今回のお話は、松尾芭蕉と大牧広(「港」主宰)の俳句の推敲過程のお話でした。
松尾 芭蕉の句 大牧 広の句
1.山寺や岩にはりつく蝉の声(初案) 1.我が山河麦藁帽を被りゆく(初案)
2.寂しさや岩にしみ込む蝉の声(再考) 2.山河ああ麦藁帽子の紐垂らし(再考)
3.閑かさや岩にしみ入る蝉の声(成句) 3.麦藁帽紐結び行く山河なり(再々考)
4.麦藁帽に紐ついてゐし山河かな(成句)
上記の句の初案から、再考、成句になるまでの推敲課程についての変化を、解かり易く説明して下さいました。
皆さんも推敲する場合は
1) 季語、情景の説明をしていないか
2) 述べすぎ、駄目押しをしていないか
3) 何を詠みたいか、焦点を絞っているか等見直して下さい。
☆比喩について、中村斐紗子対岸同人よりお話して頂きました。
第14回C-Netひたち俳句会結果
◆小野さとし先生選◆
特選 夏蕨この道行かば子の泉下 敦子
◎ 川音に目覚めの早き白木槿 斐紗子
◎ 梅雨晴れの歩幅大きく歩きけり キミ子
○ 七色に水面を染めてポピーかな 興洋
○ 梅雨の朝聖書を開き旅立てり 芳洲
○ 芍薬の自尊てふ花夕づくる 光夫
○ しょうぶ園珍種に友の名講義 典男
○ 犬の散歩回り道して梅雨の月 正
○ 梅雨晴れに誘われ出でて本を買ふ 秀峰
○ 若竹や皮脱ぎ捨てて宙へ伸ぶ 淳
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