「句中の季語の位置について」
上五に季語が多いので句によっては中七か下五におく工夫をしたい。
下五の動詞は連用形よりなるべく終止形にする。
「俳句は足で作れ」
読み手の心が選者の心にじかにとび込んでくる句、
単純化と省略が効いていろいろ考えさせられる句、
その中で高ぶった気持ちが出ているか声に出してみる。
俳人小川軽舟氏の言葉 机上と現場(吟行)
頭の中のイメージは程度の差こそあれ、固定概念化している。
それを打ち破る新鮮な発見は現場にある。
近代俳句の歴史は吟行による風景の発見の歴史である。
◆鈴木信行先生選句◆
特選 | 白躑躅あつという間に錆の色 | キミ子 |
---|---|---|
◎ | 断捨離の部屋にひとりや柏餅 | 典 男 |
◎ | 鞦韆を立ちこぐ少女天を衝く | 芳 洲 |
◎ | 丘の径向うに春が立っている | 光 夫 |
〇 | 母の背の筍飯の小昼飯(こじゅうはん) | 孝 |
〇 | つばくらめ海一望の露天風呂 | 興 洋 |
〇 | 春霞だけの満車やBRT | 仁 志 |
〇 | 龍神橋風のままなる鯉のぼり | 正 |
〇 | 落椿赤子抱きたる手水鉢 | 源 一 |
文責 内田 芳勲