第43回 C-Netひたち俳句会
11月8日、第23回国民文化祭の一環として俳句大会が、大子町で行われました。日本三名瀑の一つ袋田の滝、久慈川の清流の豊かな自然あふれる中での句会は盛況でした。俳句の募集は全国は勿論、海外にも発信されました。俳句文化の振興と発展、更に交流の輪が広げられました。また俳句愛好者の語らいと学びの大会でもありました。事前投句、当日特選句の発表、受賞式のあと「近代俳句の夜明け」と題して稲畑汀子氏の講演がありました。下記に特選句の一部を紹介いたします。
事前投句 文部科学大臣賞 み吉野の風となりたる落花かな 勝瀬千津代
今瀬剛一 特選句 りんご村橋渡りてもりんご村 大森礼子
田に水を張れば喜ぶ燕かな 原田春美
当日投句 今瀬剛一 特選句 瀧音を山へ返して返り花 大塚隼人
他10名の特選句がありました。
11月の句会
・ 日時:11月19日(水)14:00〜16:30
・ 場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
小野先生のお話
今回は、「奥の深い句を詠もう」でした。
祭り後の寂しさに似て蝉の穴 キミ子
この句は俳誌「対岸」の明窓十句に入った句です。皆さんはどのように鑑賞されますか?
この句は二重構造になっており、一句のなかの裏側に意味をもたせている。
寂しさを物に例えて語らせています。
似て=暗喩 修辞法の一つ、たとえを用いながら、表現上にはその形式を出さない方法。
・ もみぢに包まれて午後のチャイム鳴る
・ 娘とありてその日明るき庭もみぢ
・ 心までもみぢの色に染まりけり
・ もみぢ濃し絵馬に鋭き左鎌
もみぢから角度を変えて詠む、視点をずらして深い感じを持たせるのが大切です。
第43回C-Netひたち俳句会結果
◆小野さとし先生選◆
特選 |
なし
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◎ |
山眠る夕日すとーんと落ちにけり |
斐紗子 |
◎ |
身に入むや二人で抓む骨一つ |
キミ子 |
○ |
紅葉越し白馬の峰の近きかな |
典男 |
○ |
朝霧や遡上の鮭の見えかくれ |
要四郎 |
○ |
廃校を埋む銀杏の黄葉(もみじ)かな |
芳洲 |
○ |
放課後の空教室の秋の声 |
淳 |
○ |
九割そば途切れも楽し神無月 |
興洋 |
○ |
小雨なる茶会の庭の紅落葉 |
正 |
○ |
全山に絵の具塗るごと那須の秋 |
光夫 |
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