第53回 C-Netひたち俳句会
民話のふるさと「遠野物語」の遠野へ吟行に行ってきました。南部曲り家、五百羅漢、とおの昔話村、ダンノハナ、カッパ淵、伝承園、羅須地人協会など廻ってきました。
「遠野物語」が世に出て100年近い、遠野の人と自然の温かいふれあいの中で過ごした貴重な時間でした。何と言っても印象深かったのは、御蚕神堂(オシラ堂)オシラサマは農業の神様、馬の神様、
蚕の神様とも言われています。娘と馬の恋い物語りで知られる、オシラサマが四方の壁いっぱいに千体飾られていました。また60歳を過ぎると姥捨てのでんでら野、
身の丈を超える芒原、熊、鹿が出没すると言われています。テレビ等でも有名な87歳の、語り部の正部家ミヤさんの昔話を聞きました。方言の分らないところもありましたが、
上品な優しい語り口は素晴らしく、母親から聞いているような感じがしました。
9月の句会
・ 日時:9月16日(水)14:00~16:30
・ 場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
小野先生の講話
今月の講話は「渥美清の俳句」のお話でした。
「風天 渥美清のうた」は晩年に「風天」の俳号で作られた俳句に焦点を当てたルポタージュ。
句集は、コラムニスト森英介著 句友には小沢昭一、黒柳徹子、山本直純、岸田今日子、富士真奈美、中村八大etc、
清は句会が好きで、披講は大きな声でした。作句は壁に向ってしていた等。
山田洋次監督は、渥美清氏は哲学的思索的であり、またある時は詩人のように美しい言葉を語る人であったと。
・夢二忌や霧の迷路となる湯町.
・月光にわが正体をさらしけり
・桔梗の五稜ぷっくり明日開く
・ゆうべの台風どこに居たちょうちょ
・赤とんぼじっとしたまま明日はどうする
・村の子がくれた林檎一つ旅いそぐ
・朝寝して寝返り打てば昼寝かな
・好きだから強くぶつけた雪合戦
・蓋開けたような天で九月かな
渥美清の俳句について、先生の解説がありました。
・優しい ・孤独 ・ユーモラス ・粋 ・清々しい ・山頭火を思わせる。
第53回C-Netひたち俳句会結果
◆小野さとし先生選◆
特選 |
秋の雨土曜ワインをゆったりと |
キミ子 |
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◎ |
遠き日の影踏む遊び望の月 |
斐紗子 |
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◎ |
運動会豪華弁当の三世代 |
興 洋 |
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◎ |
母を看取りし介護日誌を繰る夜長 |
芳 洲 |
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○ |
説明を聞いて曲がりの胡瓜買ふ |
要四郎 |
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○ |
河川敷大きく曲がる秋の雲 |
正 |
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○ |
昼寝する母直撃の一歳児 |
典 男 |
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○ |
台風の晩鐘を消す夕べかな |
淳 |
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○ |
ウオ―キング秋蚊つき来る上り口 |
光 夫 |
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