第56回 C-Netひたち俳句会
11月29日(日)から2泊3日の「平家物語」の文学散歩、主に奥嵯峨野を廻って来ました。初日は比叡山宿坊泊、延暦寺の早朝勤行に参加しました。夜明けのまだ暗い冷気の中、心身の引締まる思いがしました。木造建築としては、日本でも有数の建物の一つと言われているだけあり、天井を貫く丸い太柱、代々引き継がれた不滅の法灯は素晴らしいものでした。
その後鳥居本の古い町並みを散策、化野念仏寺、祇王子、滝口寺、二尊院、落柿舎、常寂光寺、野々宮神社、天龍寺、小督塚、六波羅蜜寺、後白河天皇陵、御所、城南宮、鳥羽離宮跡等の見学です。何処の紅葉も京都は色鮮やかで感動でした。落柿舎は萱葺きで、庭の柿はびっしりなっており、懐かしい故郷の景観でした。「柿主や梢はちかきあらし山」の去来の句がありますが、簑笠が掛けてあるときは在宅の印、ここの次庵で昼食。落柿舎の北裏には弘源寺の墓苑があり、「去来」とのみ書かれた小さな墓があります。「凡そ天下に去来ほどの小さき墓に詣りけり」虚子、の生前最後の自筆句碑がありました。心に残る旅でした。
12月の句会
・ 日時:12月16日(水)13:00~16:30 忘年昼食会
・ 場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
小野先生の講話
今月の講話は司馬遼太郎の「坂の上の雲」の正岡子規のお話でした。
・ 松山や秋より高き天守閣 ・・・・・・・ 25歳作
・ 君を送りて思ふことあり蚊帳に泣く・ 秋山をアメリカへ送る
・ 不生不滅明けて鴉の三羽かな・・・・ 真之51歳で死亡
・ 軍かな我も出で立つ花の剣・・・・・・ 日清戦争へ
・ 行かばわれ筆の花散るところまで・・ 日清戦争へ
・ 行く吾にとどまる汝に秋二つ・・・・・・ 漱石との別れ
・ 糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな・・・ 絶句
・ おとといの糸瓜の水も取らざりき・・・ 絶句
・ 痰一斗糸瓜の水も間にあわず・・・・ 絶句
第56回C-Netひたち俳句会結果
◆小野さとし先生選◆
特選 |
おもむろにマフラーを捲く夜勤かな |
芳 洲 |
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◎ |
松手入れ半被凛々しき三代目 |
淳 |
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◎ |
延暦寺夜明けの冷えに身の締まる |
キミ子 |
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○ |
ホッカイロ忍ばせ朝の散歩かな |
興 洋 |
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○ |
濃紺の新車の届く秋茜 |
要四郎 |
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○ |
手術終へ秒針刻む音冴ゆる |
正 |
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○ |
水底の石に影揺れ十二月 |
斐紗子 |
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○ |
あの時の魔物去りゆく除夜の鐘 |
典 男 |
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○ |
寡黙なる待合室の黄菊かな |
光夫 |
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