第58回 C-Netひたち俳句会
2月14、15日栃木県下野市の天平ケ丘公園、国分寺、慈眼寺の吟行に参加して来ました。前夜からの雪で電車が不通にならないことを願いながら、わくわくしておりました。一面の銀世界でした。天平ケ丘公園の林は雪の花、日が射して万葉の道はあちこち垂り雪の音がしていました。師の句碑はこの林の中にあります。
咲き満ちてなほ咲く桜押し合へり 剛一
建立から三年落ち着いてどっしりと貫禄がありました。防人の道を抜けると尼寺跡へ出ました。礎石が並び薄墨桜が周りを囲んでいます。桜の芽はまだまだ固く春を待っていました。慈眼寺の国宝の涅槃図は傷みが激しく、拝観できたのは複製の意外と小さいものでしたが、素晴らしいものでした。
2月の句会
・ 日時:2月17日(水)14:00~16:30
・ 場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
小野先生の講話
今月の講話は「俳句は選句」のお話でした。
・季語が効いているか
・対象との対話が見えるか
・説明ではないか
・理屈ではないか
俳句は選句、選句は作句です。例句を挙げ、皆さんに問われました。
1)・花びらをゆっくり運ぶ川の音・・・説明
・花散ってふだんの道となりにけり・・・原因、結果
・ものの芽に鋭き青さありにけり・・・情景が見える良い句。
2)・チューリップ硝子のやうに毀れけり・・・良い句
・蕗の薹母の齢をとうに越す・・・類想句
第58回C-Netひたち俳句会結果
◆小野さとし先生選◆
特選 |
予後の身や舌にとろりと煮大根 |
芳 洲 |
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◎ |
富士見ゆる雪原にあり友の墓 |
典 男 |
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◎ |
脚絡め抱っこする子のあたたかし |
キミ子 |
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◎ |
犬にとり気になる距離の浮寝鴨 |
正 |
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○ |
片麻痺に慣れて七十路里の梅 |
要四郎 |
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○ |
早暁や雪掻きをする団地坂 |
興 洋 |
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○ |
水平線に居据る雲や建国日 |
斐紗子 |
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○ |
もぅいいかいまあだだよの春の声 |
光 夫 |
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