第60回 C-Netひたち俳句会
3月末、俳句仲間と4泊5日で「京都の桜」を見てきました。
東寺、伏見稲荷、三十三間堂、仁和寺、化野念仏寺、祇王子、落柿舎、去来の墓、大徳寺の大仙院、大覚寺、高台寺、清水寺、等沢山の寺を廻りました。
何処も桜、さくらが見事でした。印象に残ったのは東寺、高台寺の枝垂桜と石庭。今回も一泊は仁和寺宿坊泊、夜中に眠れないほどの強い雨、夜明けの薄暗い雨の中を、早朝勤行に参加しました。多勢の修行僧の読経には心身の引締まる思いがしました。終わる頃には雨も止み、御室桜を見ましたが、咲き始めたのは一本だけで、大きく膨らんだ蕾でした。
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東寺の枝垂れ桜 |
奥嵯峨野
化野念仏寺の竹林 |
4月の句会
・ 日時:4月21日(水)14:00~17:00
・ 場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
小野先生の講話
今月は「大景の句、深みのある句を詠もう」のお話でした。
宇宙、山、川、海、等いろいろあります。俳人と例句を挙げ、皆さんに問いかけながら、解説をして下さいました。
例句
・荒海や佐渡に横たふ天の川 松尾芭蕉
雄大な景を感覚的に捉え、感動を表現、季語が豊かに生きている。
・菜の花や月は東に日は西に 与謝蕪村
菜花の夕暮れどき、夕日が西の空に沈もうとしている。
東の空には月が、の大きい景。
・芋の露連山影を正しゆうす 飯田蛇笏
本人の意思、佇まいが出ている。俳句には自分の姿勢が出る。
・こだまして山ほととぎす欲しいまま 杉田久女
霊的、自分の感覚として捉え、表現している。
・虫の夜の星空に浮く地球かな 大峯あきら
交感して感じとったもの、現代詩的である。
・水の地球少し離れて春の月 正木祐子
宇宙感覚的である。 地球は水の惑星といわれる。
・摩天楼より新緑がパセリほど 鷹羽狩行
ニューヨーク詠、摩天楼から見た俯瞰図、
新緑がパセリほどが新鮮である。
・遠山に日の当たりたる枯野かな 高浜虚子
遠山(遠景)枯野(近景)日は枯野に当たっている。遠近法。
第60回C-Netひたち俳句会結果
◆小野さとし先生選◆
特選 |
妣と言ふほのかなにがさ蕗の薹 |
光 夫 |
(妣:はは)
(蕗の薹:ふきのとう) |
◎ |
摘み立ての搗きたてといふ蓬餅 |
斐紗子 |
(搗き:つき)
(蓬餅:よもぎもち) |
◎ |
花吹雪また来年の並木道 |
典 男 |
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◎ |
万太郎の文字柔らかし風光る |
キミ子 |
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◎ |
声高に肩ぶつけあふ一年生 |
良 佳 |
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○ |
手を繋ぎ春疾風の一年生 |
芳 洲 |
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○ |
一週間日延べ間に合ふ花見かな |
正 |
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○ |
輝ける海を眼下に初つばめ |
要四郎 |
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○ |
まどろみの中の初音や雨あがる |
興 洋 |
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○ |
心地良き洗ひ濯ぎに水温む |
裕 |
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