第62回 C-Netひたち俳句会
6月の句会
・ 日時:6月16日(水)14:00~17:00
・ 場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
小野先生の講話
今月は「飯田蛇笏の俳句工房」俳句素案から成句までの俳句推敲の経過のお話でした。
・我等人間の居住する地域のひろさ (素案)・・・感動、季語がない
1)秋冷に人間の住む地域かな
2)ひややかに広き大地や人住めり
3)秋冷の大地に人の住みにけり
見渡す限り郷土の起伏する大景が秋冷の季節の中に横たわり、その感銘こそが重大であると蛇笏は繰り返す。
4)冷ややかに人住める地の起伏かな・・・
余情的効果を持たない、甘くなりやすい。
5)冷ややかに人住める地の起伏あり(成句)
①最初に感じた事にたえず立ち返る。物、事に託して詠む。
②情景の説明ではなく作品として真に言いたいことが言えたか。
③舌頭に千転してリズムや余情があるかと言うことに注意しなさい。
第62回C-Netひたち俳句会結果
◆小野さとし先生選◆
特選 |
渡良瀬の流れをぬって麦の秋 |
正 |
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◎ |
そら豆剥ぎ土の恵みを言ひ合へり |
芳 洲 |
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◎ |
更衣さらさらさらと梅茶漬 |
キミ子 |
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○ |
梅雨曇り早々灯る街路灯 |
興 洋 |
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○ |
梅雨の庭雫に朝の万華鏡 |
裕 |
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○ |
青嵐湖上にはらむ帆引き舟 |
要四郎 |
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○ |
すこやかに発声習ふ薄暑かな |
斐紗子 |
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○ |
引く波に躓き拾ふ櫻貝 |
光夫 |
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○ |
子と釣りの湊の日の出夏兆す |
典 男 |
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○ |
一列に海に向かひて葱坊主 |
良 佳 |
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