第67回 C-Netひたち俳句会
10月末、吟行で世界文化遺産の厳島神社へ行ってきました。能舞台、高舞台、平舞台、朱塗りの社殿群、大鳥居が弥山を背景に海上にあり、平安の雅を伝える歴史の島でした。今回は高舞台で結婚式の舞楽が舞われていました。
宝物館には平家一門が其の繁栄を祈って奉納した平家納経をはじめ、宝物、美術工芸品が展示されています。平安美術の粋を集めた華麗典雅な平家納経の金銀の装飾の素晴らしさは時を経て深みを増していました。
清盛神社、五重塔、千畳閣、紅葉谷公園、弥山、豊国神社は秀吉の死により完成を見ないまま現在に至っている。その広壮さから千畳閣と呼ばれ数々の絵馬が掲げられている。使用されている木材の、太さ厚さには目を見張るものがありました。
弥山からの眺望は立ち枯れの原始林、瀬戸の海に浮かぶ島々と牡蠣筏、台風予報の中の旅でしたが、さすが神の島台風はそれて、良い吟行日和でした。
11月の句会
・ 日時:11月17日(水)14:00~17:00
・ 場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
小野先生の講話
今月は「作句する時の季語の位置」についてのお話でした。
作者の季語の美学(小澤克己) 季語の成り立ち、季語を生かすように詠む。
季語の位置について、
A.上五に置く:季語にまつわる説明になる。俳句は説明ではいけない。
俳句は詩である。季語は中七、下五であって欲しい。俳句は切れ字、場面を転換する。飛躍する。
・芋の露連山影を正しゅうす 蛇笏
・万緑や死は一弾をもってたる 五千石
B.下五に置く:一般的に広く使われている。
二句一章の句(二物の衝撃)直接関係のない二つの事柄をぶつけることにより、重層的で複雑なイメージ、言葉ではストレートに表現できない感動を伝える。
一句一章(一物仕立て)上五・中七・下五の間を切らず、一つの事柄を詠む手法です。
・をりとりてはらりとおもきすすきかな 蛇笏
C.中七に置く:長い季語は中七へ置き一句の中に溶けこませるように作る。
第66回C-Netひたち俳句会結果
◆小野さとし先生選◆
特選 |
引き潮の干潟にあをさ神の留守 |
キミ子 |
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◎ |
ひょんの笛廻し吹きするみな真顔 |
斐紗子 |
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◎ |
ほのぼのと恩師を囲み暮の秋 |
芳 洲 |
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◎ |
ディ・ケアを支える妻やつはの花 |
要四郎 |
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◎ |
餅つきや端どりの手のみずみずし |
裕 |
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○ |
小春日やあれもこれもの長話 |
良 佳 |
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○ |
紅葉道和服姿の君がゐて |
典 男 |
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○ |
取り壊す庭でありけり石蕗の花 |
興 洋 |
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○ |
諍ひのありしあしたの鳳仙花 |
光 夫 |
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○ |
晴天や競ひ散る散る紅葉かな |
正 |
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