第70回 C-Netひたち俳句会
2月11日雪の中、俳句仲間と吟行に出かけました。常陸太田市の珪化木館、雪村うちわ、若宮八幡宮、昼食は黄門様まぼろしの汁講のコース。珪化木標本館は、建築業の石塚美一さんの自宅敷地内にあり、石塚さんが趣味で発掘した珪化木や貝など約200点の化石標本が陳列されていました。木肌の解るもの、太古マンモス象に似ている所から『マンモス珪化木』と名づけられたもの、全くの石と化したもの等ありました。NHKテレビでも放映されたことがある。
太田(雪村)うちわは、明治時代に建てられた家で、4代目の圷聡子さん卒寿の方が作っていました。「雪村うちわ」は室町時代の画家・雪村が、常陸太田の瑞竜町沢山にある耕山寺に住んでいた時に始めたものといわれている。うちわの紙には、「西ノ内和紙」が使われている。聡子さんは卒寿と言いながらもしなやかな指の動きには、若さと技がありました。
昼食の黄門様まぼろしの汁講は、太田の町興しのために昔の資料を研究し作られたもので、地場産の野菜を使用した蕎麦飯とけんちん汁でした。懐かしい味で、雪の日にはとても温まるご馳走でした。
2月の句会
・ 日時:2月16日(水)14:00~17:00
・ 場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
小野先生の講話
今月は『俳句は写生』のお話でした。
写生は俳句の基本である。最近疎かになっているのではないか、写生に始まり写生に終わると、云っても過言ではないと『対岸』今瀬主宰も言っている。
1.松のことは松に習え、竹のことは竹に習え 芭蕉 これらは写生論を言っている。
松を良く見なさい、竹を良く見なさい。見よとは云っていない。葉の形、虫食い、色等の瑣末的なことではない。近づいて対象を良く見るとは、自分が対象になった気持ち、それになり切るように感情を入れよ。私意を離れ対象と一体化 すること。これが写生する姿勢である。
2.物の見えたる光いまだ消えざるうちにいい留むべし。芭蕉 写生論、見た感覚、直感を言っている。そのときその場でなければ感じられない、二度とは繰り返すことのできない純粋な経験が、即座に一つの作品になる。
3.西村和子(俳人)。「知音(ちいん)」代表。清崎敏郎に師事 写生句100句を送り見て頂いた。丸は十数句であった。
次の俳句は始めて三年位の西村和子の写生句。写生が効いているのはどこか。
・ みなそこの青葉音なく揺れてをり・・・青葉音なく
・ シクラメンうたふごとくに並びけり・・・うたふごとくに
・ 月見草胸の高さに開きけり・・・・・・・・胸の高さに
・ つかの間の風花とほき人知るや・・・・とほき人
第70回C-Netひたち俳句会結果
◆小野さとし先生選◆
特選 |
石一つ投げて二月の水の音 |
キミ子 |
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◎ |
間道へ雪折れ竹を引き出せり |
斐紗子 |
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◎ |
大欅ゆれてゆさぶる冬の雲 |
光 夫 |
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◎ | 雪冠るものの芽凛と輝けり |
裕 |
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○ |
背負ふ苦も賜りものぞ春うらら |
要四郎 |
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○ |
大口の釜を囲みて初稽古 |
正 |
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○ |
朝日射す蕾色なす福寿草 |
興 洋 |
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○ |
村抱き流れる川や梅香る |
芳 洲 |
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○ |
雪催ひ孫の手温し道急ぐ |
典 男 |
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○ |
如月の月さえざえと峡の村 |
良 佳 |
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