第75回 C-Netひたち俳句会
7月8日吟行会で、常陸太田市里美の根岸溜池の睡蓮、4年前より大分増えていました。葉が犇めき合い、白やピンクの花盛りでした。親指の爪ほどの沢山の青蛙、糸とんぼが迎えてくれました。猿喰いの大欅、里川町中子川遊歩道、山鈷室山は標高870m、山頂は今年初めての蝉時雨でした。読経のように聞こえたのは春蝉です。戻り道で冷たくて美味しい湧水をペットボトルに詰めて帰りました。
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根岸溜池の睡蓮 |
猿喰いの大欅 |
7月の句会
・日時:7月20日(水)14:00~17:00
・場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
小野先生の講話
今月は『俳句は何を詠んでも良いが詩になるものを』のお話でした。
「つくづくと女は勁し百日紅」 正夫 「対岸」初代編集長の第2句集より、
いろいろとふくらみのある良い句である。
長谷川櫂氏は俳句には切れがあり、深く詠めなければ駄目な句、表面的浅い句は評価されない。共通的な深さを感じるものがある句が良い句であると言う。
「いさぎよく散ってしまいし桜かな」 さてこの句は如何でしょう?と問われました。陳腐な句、既成概念で詠んでいる悪い例。
良い句は最初に感じた何かを(正体を見極めて)詠む。安易な発想に迷わされない。人の死は悲しい、痛ましいは既成概念であり、人の死に臨んだとき、目前に起こったことをどう詠むかである。
深い句の例
・ 大寒の埃の如く人死ぬる 高浜虚子
・ 死骸や秋風かよふ鼻の穴 飯田蛇笏
・ 死にたれば人来て大根煮きはじむ 下村 槐太
第75回C-Netひたち俳句会結果
◆小野さとし先生選◆
特選 |
曝井の虫麻呂の歌碑竹落葉 |
キミ子 |
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◎ |
朱の廊下めぐりて素足喜べり |
斐紗子 |
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◎ |
大揺れの大地を覆ふ夏の草 |
光 夫 |
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◎ |
炎天や麦茶の味を少し濃く |
要四郎 |
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○ |
夕焼くる不老不死の湯ひとり旅 |
典 男 |
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○ |
口いっぱい真赤なすぐり遠い日々 |
正 |
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○ |
八十の女姉さん被り田草刈り |
源 一 |
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○ |
一面の砂の彫刻海開 |
興 洋 |
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○ |
万緑や十期総会無事終へり |
芳 洲 |
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