第103回 C-Netひたち俳句会
11月6日、日立市俳句連盟の吟行会に参加してきました。取手の取手本陣・長禅寺・小堀の渡し等散策、冬晴れのよい吟行日和でした。旧取手宿本陣(染野家住宅)寛政7年(1799)の建築。染野家は代々の名主。水戸徳永家から本陣に指定される。斉昭の歌碑がある。長禅寺は平将門の祈願により創設された寺。一茶が取手に立ち寄った時詠んだ句碑がある。
「下総の四国めぐりや閑古鳥」文字は小川芋銭の筆による。小堀の渡しは大正9年に利根川河川改修によって、当時、地続きであった小堀(おおほり)地区は、取手(井野村)から分断された。そこで渡し舟を出したのが始まりと言われている。以来、現在に至っている。ゆったりとした流れ、薄、船着場には人懐こい猫が一匹遊んでいた。
吟行会作品
顧問 鶴岡しげを選 対岸の飛び地に秋日濃かりけり 伊香節子
会長 鈴木信行選 ありのまま秋深み行く長禅寺 鶴岡しげを
副会長 今橋和子選 大藁屋昼を灯して冬に入る 高橋喜久江
11月の句会
・日時:11月20日(水)13:00~16:30
・場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
小野先生の講話
今月は『選句について』でした。選句は創作なり、作句と同じである。
下記の例句について皆さんと話し合いました。
例1. 知恵袋引きずり行くよ七五三
情景は分かるが、知恵袋と七五三が即き過ぎ、句に焦点、変化がない。
感動は何かを考える。
例2.愁思かな点滴の腕動かせず
秋の物思いと点滴の腕動かせずが即いている。革新的な新しいものを詠むとよい。
例3.草笛や吾が胸にある愛唱歌
草の葉に唇を当てて吹く草笛と愛唱歌が即き過ぎ。
「野遊びや吾が胸にある愛唱歌」くらいにしたい。
説明しないで出来るだけ捨てる。紅葉、桜ははかなし、日本人の察する心、裏に
隠れているものは削り捨てる。読者に感じてもらう。独善的では良くない、どんな
状況か、読者が共感するもの、内容について想像を膨らませて考えてみる。
103回C-Netひたち俳句会結果
◆小野さとし先生選◆
特選 |
水口に鯉の集まりもみぢ谷 |
キミ子 |
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◎ |
紅葉狩り英国館の午後のお茶 |
興 洋 |
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○ |
文化の日釣り人並ぶ鹿島灘 |
正 |
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○ |
振り返る里山は早や冬の月 |
斐紗子 |
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○ |
秋の海再建成りて六角堂 |
典 男 |
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○ |
月光に虫と棲みたき思ひかな |
光 夫 |
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○ |
一人居や新米の香の炊き上がる |
芳 洲 |
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○ |
台風や防御そのまま逸れてゆく |
源 一 |
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