第110回 C-Netひたち俳句会
俳句と写真はどちらも瞬間を切り取ると言う点で似ているところがある。 写真には基本構図が幾つかあるがS字もその一つで今月これを句材として選に入った。
最近俳句と写真を組み合わせた「俳句写真(俳写)」や「写真俳句(森村誠一氏の登録商標)」が人気が高く愛好者が増えており、コンテストや投稿サイトもある。
写真俳句の作り方としては次の3つがあると言われている。
①写真を先に撮って、後から俳句を考える(最初はこの方法が良い)
②先に俳句を作り、後からそれに合った写真を撮る
③写真を撮りながら、俳句を考える(または俳句を考えながら写真を撮る)
最近はデジカメやスマホで簡単に写真が撮れるので散歩しながらでも写真を撮って置き、後からその状況を思い出しながら俳句を詠むと入りやすいので、みなさんも写真俳句を始めてはいかがでしょうか。作例を紹介します。
6月の句会
・日時:6月18日(水)13:00~16:00 句会
・場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
小野先生の講話
今月は今瀬剛一 先生(俳句結社対岸主宰)の俳句に対する姿勢のお話でした。
良い句は真実でありたい。
あなたは何のため俳句を作っているかと聞かれると「日々の感動の記録の自己表現」と答えている。
自分の足跡が後について来る詠みをしたい、十年二十年後にその一日が懐かしく思い出される作品でありたい。
・「帰りたし故郷の青田歩きたし」
県南に赴任(高校教師)した時行き詰まったり 人の冷たさを感じた時故郷に帰り、その山田畑を歩きたい 思いに。
・「凍瀧が我が眼にあふれ空にあふれ」
初めて完全凍結した瀧を見た時の感動を詠んだ。
・「十月の雲より薄し朝の月」
東京オリンピックの年で結婚の年である、結婚間もない頃の作品で家から出た時ははっきり見えた雲と、それより薄い月にひかれて詠んだ。
作者二十代後半の句である。
茨城新聞6月15日(日)茨城文芸欄ニュース
当会リーダーで「対岸」同人の櫻井キミ子氏が、初句集「少年」を出版されことに対し「子らへのまなざし温か」と紹介されました。
110回C-Netひたち俳句会結果
◆小野さとし先生選◆
特選
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白線を引き替え街も衣更
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光 夫
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◎
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老い先の思案してゐて明易き
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芳 洲
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◎
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人気なき尼寺にして梅雨晴間
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斐紗子
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◎
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睡蓮の写真の構図S字かな
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興 洋
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○
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病院の駐車列待つ夏日射 し
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正
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○
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道端のあざみ濃くして古ひ歌
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典 男
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○
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山と海街を覆ひて夏の霧 |
キミ子
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