6月末に熊本県の立田自然公園・熊本大学五校記念館・熊本城・江津湖を吟行してきました。
立田山麓にある、肥後藩主・細川家の菩提寺泰勝寺跡です。細川家初代藤孝夫妻と二代目忠興とガラシャ夫人の墓「四つ御廟」があり、梅雨の中しっとりと苔むす風情でした。
赤煉瓦造りの旧制第五高等学校本館は 建設から約124年。明治の香りを今に伝える建物群は現在は記念館として一般公開され、当時の試験問題やノート、写真などが展示されていました。建物の前には夏目漱石の像がありました。
熊本城は男性的な素晴らしい城でした。
水の国熊本・市民のオアシス、江津湖。上江津湖側にある県立図書館近くの遊歩道は、清流のせせらぎ沿いを歩くことができる人気の散歩コースのようです。
印象に強く残ったのは、芭蕉林でした。芭蕉のジャングルはどことなく南国の雰囲気で 異国情緒漂うエリアでした。
大人の背丈よりも高い位置にバナナのような大きな葉が茂り、独特の雰囲気を醸し出しています。
近くには高浜虚子の「縦横に 水のながれや 芭蕉林」の句碑がありました。
7月の句会
・日時:7月16日(水)13:00~16:00 句会
・場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
小野先生の講話
今月は今瀬剛一先生(俳句結社対岸主宰)の俳句鑑賞のお話でした。
・水を出し鳰のごとくに昼寝覚め
川や沼にいる浮巣を作る鳥、しばらく水に潜り離れたところに出る。
目覚めた時のぼんやり感、失った時間、喪失感、虚脱感、鳰のようにぼんやりしている
ところの比喩がうまい。
・青嵐もみくちゃに母御座しけり
40代初期の句。青嵐とは青葉の頃に吹くやや強い風、生命感あふれる爽快な風、母御座しけり
の母への敬語を言わせしめる肉親の情を覚える俳句。
111回C-Netひたち俳句会結果
◆小野さとし先生選◆
準特選
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土室より出てたる独活のみづみづし |
光夫
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◎
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天領の道の駅舎や夏燕 |
興洋
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◎
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梅雨晴や夢二の猫のすり寄り来 |
キミ子
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◎
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緑陰や時報代はりの「七つの子」 |
芳洲
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○
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山城の古道険しきみどり雨 |
典男
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○
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小学校の津波訓練梅雨晴間 |
斐紗子
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○
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犬小屋の屋根を越えたりなめくぢり |
正
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