第113回C-Netひたち俳句会
9月12日、私達吟行仲間で、西の内和紙 ・鷲子山上神社 ・吉田八幡神社(三浦杉) みわふるさと館(道の駅みわ)等回ってきた。
楮を原料とする 手すき和紙。山方町(現・常陸大宮市)西野内で作られたのでこの名がある。三代目の菊池さんより実演説明を受けた。黄蜀葵(トロロアオイ)を初めて見た。これが無いと紙ができないという。黄蜀葵の根を水に漬けておくとぬるぬるしてくる。これを混ぜて紙を漉く。(以下省略)
鷲子山上神社(とりこのさんしょうじんじゃ)は、フクロウ神社と呼ばれ栃木県(馬頭町)と 茨城県(常陸大宮市)の県境に位置し、標高470メートルの山頂にある。通称「フクロウ(不苦労)の神社」と呼ばれる。天日鷲命(アメノヒワシノミコト)という鳥の神様が祭神。境内には地上7mの日本一の梟の像がある。 山には、樹齢1000年位の杉を始めとして老樹大木がうっそうと生い茂り、多くの人々がその「霊気」をいただくため「森林浴」に来山されている。
老杉の樹皮荒々し豊の秋 キミ子
吉田八幡神社(三浦杉)見事な杉がたくさんある。ここの神社は、昔、九尾の狐が悪さをしていたので、三浦某が天皇の命令で那須 まで退治に行く途中で寄ったところらしい。 そのとき、「うまく退治ができたらすくすく成長してね」という願掛けをして植えたのがこの杉。昔は鎌倉杉とよばれていたのだが、この伝説を聴いた水戸光圀が三浦杉と改名したという。
神宿る三浦大杉秋高し 洋子
9月の句会
・日時:9月17日(水)13:00~16:30
・場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
小野先生の講話
今月は『句つくりのポイントについて 』(大事にすべきこと)のお話でした。
俳句は五七五が定型である。俳句は和歌から派生しており、古来七五調のリズム感が大切にされる。五七五を続けるのでなく、五で切って七五、または五七で切って五のように切れを入れ、七五調のリズム感ある句としたい。
同時にはっきり(言わんとすることを明確に)、すっきり(形が詠んで流れよく)、どっきり(詠み手に感激や驚きを与える)が一句の中に感じ取れる句つくりを心掛けたい。
例句1:「母が居て秋海棠の狭い庭」
この句は母が居てとすることで、元気でいてくれる母への感謝の気持ちがよく詠み手に伝わる。ただ狭い庭はこの句にあまり意味を持たないし、強調されて誤解を招く。
→「母が居て秋海棠の花咲ける」の方がすっきりとする。
例句2:「どの道も秋刀魚の煙立ち込めて」
この句には切れがない。だらだらと詰め込んだ感がある。
→「秋刀魚焼く煙の中を通りけり」で句がすっきりとする。
句会雑感
今回は時事俳句が2件ありました。俳句は将来にわたって価値を損なわないもの、時間的に幅を持つのでなく瞬間を捉えることを大事にする。従って地方の人口減の問題やデング熱のテーマは川柳の範疇で、俳句には適さないとのご指摘。
ただこれらの話題やスコットランド独立選挙の話題など、少し横道に逸れて句会参加者の意見が白熱しました。皆さん時事には関心が強いようです。また別の機会で・・・。
113回C-Netひたち俳句会結果
◆小野さとし先生選◆
特選 |
新涼や子役凛々しき船弁慶 |
芳洲 |
◎ |
走り根の龍の如くに杉の秋 |
キミ子 |
◎ |
残業や車窓に写る小望月 |
正 |
◎ |
紺碧を孫に教へて秋の海 |
仁志 |
○ |
潮騒の駅に寄するか晩夏光 |
光夫 |
○ |
離陸して窓にぽつかり望の月 |
斐紗子 |
○ |
植込みの上に顔出す彼岸花 |
興洋 |
○ |
古物捨て新涼の部屋清々し |
典男 |
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