第122回C-Netひたち俳句会
俳句会の立上げ当初から参画され、豊富な句作経験から当会のリーダー的存在でした中村斐紗子さんがお亡くなりになりました。ここ数年は足の不自由さから句会は欠席でしたが、櫻井リーダーが毎月病床を訪ね口述筆記され、先月の句会まで欠かさず投句されていました。
中村さんの独特な着眼点と力強い句が今後見られなくなるのが残念です。ご冥福をお祈りいたします。
「訃報受く梅雨の雨音しばし聞く」 (村山記)
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1.馬渡埴輪公園(ひたちなか市) |
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6月の句会
・日時:6月17日(水)13:00~16:00 句会
・場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
小野先生の講話
今月は「一句の中の繰返し」リフレーンについてのお話でした。
例句1.春の海終日のたりのたりかな 与謝 蕪村
句調を整え韻律がよくなる。春の海は、一日中ゆったりと うねっていて、のどかである。
例句2.鰯雲ひろがりひろがり創痛む 石田 波郷
肺結核肋骨切除手術後の句。鰯雲の広がる様子、また創の痛みの広がりまで感じられる
例句3.春ひとり槍投げて槍に歩み寄る 能村 登四郎
槍投げの練習風景でしょう。ひとりの若者が槍を投げては、しずかにその槍を拾いに歩み寄る。その孤独な姿、槍投げに打ちこむ若者の情熱、詠まれている
例句4.裸子の尻の青あざまてまてまて 小島 健
お風呂上りでしょう。裸で逃げ回る幼子のお尻にくっきりと蒙古斑(青あざ)が・・ 誰にでも、何処にでもある状況の愛らしい作品。
訃報 C-Netひたち俳句会会員の中村斐紗子さんが、6月6日にお亡くなりになりました。慎んで哀悼の意を表します。
122回C-Netひたち俳句会結果
◆小野さとし先生選◆
特選 |
衣更して病妻の華となる |
芳 洲 |
◎ |
玻璃越しの夏日に遠く船白し |
典 男 |
◎ |
口述の絶句となるや桐の花 |
キミ子 |
○
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梅雨晴れや高齢免許講習会 |
興 洋 |
○
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故郷は家族総出の袋掛 |
正 |
〇 |
決着の一目半や汗拭ふ |
光夫 |
○
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洗濯のチャンス伺ふ梅雨晴間 |
源 一 |
○
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茅花流し子離れし女犬を抱く |
仁志 |
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